蒸発晶析法による ぶどう糖と食塩を使った複塩の作製

ぶどう糖(C6H12O62と塩(NaCl)からなる複塩は(C6H12O62・NaCl・H2Oとして存在することが実証されています。

さらに、この複塩はぶどう糖と塩を溶かした水溶液から結晶を析出させる方法によって得られることが知られています。

今回は、自然蒸発による水溶液の過飽和を利用した蒸発晶析法で、ぶどう糖-塩の複塩結晶を作製してみました。

この結晶を作製するにあたり、下記のサイトを参照しました。

DmiShin home:
https://dmishin.github.io/crystals/glucose-sodium-chloride.html

用意するもの

・ぶどう糖 100g
・塩      15g  (※画像では白いポリビンに入っています)
・プラスチックカップ
・お湯   100CC
・ナイロン糸

準備

お湯に塩を溶かします。
次にぶどう糖を投入して溶かしていきます。
ぶどう糖の投入とともにお湯の温度が下がっていくので、やがてぶどう糖が溶けなくなります。
そこで、大きな容器にお湯を張り、湯煎することで溶かしました。
ぶどう糖と塩が溶けた透明な水溶液の完成です。

観察1

種結晶が出来るまで部屋の中で放置します。

観察2

スタートしてから7日、溶液の表面に3mmほどの結晶が浮かんでいるのが確認できました。

観察3

スタートしてから10日、表面に浮かんでいた結晶は5mm程度に成長していました。
また、容器の内面にも無数の結晶が確認できました。
ここで、5mmに成長した結晶をナイロン糸でしばり、溶液中に垂らしました。
結晶の成長を期待します。

観察4

スタートしてから14日、結晶は1cm程度に成長していました。
容器内面の結晶もかなり増えました。

観察5

スタートしてから21日、2cmほどに成長しました。

観察6

スタートしてから31日、幅2.5cm、長さ3cmの結晶に成長しました。
同時に容器内面の結晶もどんどん増えていったので、もはやナイロンで垂らした結晶が成長するために十分な水溶液がなくなってしまいました。
これで終了とします。

成長した結晶です。外観はパイナップルのような形です。
多結晶体で、それぞれの結晶が成長したように見えます。

結晶の分析

出来上がった複塩をX線回折にかけ、(C6H12O62・NaCl・H2Oであるかどうかを確認しました。(※サンプリングは容器壁面で成長したものを採取)

問題なく、(C6H12O62・NaCl・H2O であることが確認できました。

まとめ

自然蒸発による水溶液の過飽和を利用した複塩を作ってみました。
約1ヶ月の放置で、2.5×3cm程の多結晶体が出来ました。
しかし、参考にした資料(DmiShin home)のような、きれいな単結晶とはなりませんでした。種結晶の作り方(選び方)、成長速度(溶液の蒸発速度)といった要因があるかもしれません。

ところで、、、複塩の味は?

想像してみてください!
どのような味がするのでしょうか?

気になりましたので味見してみました。

その味は、、、

まさしく、砂糖と塩を同時に食べたときの
「甘しょっぱい」の一言に尽きます。

 

参考資料:
DmiShin home:https://dmishin.github.io/crystals/glucose-sodium-chloride.html
複塩法による結晶ブドウ糖の製造およびその物理化学的解析 J-STAGE /澱粉工業学会誌 / 12 巻 (1964-1965) 1 号

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