構造色の実験 ~虹色電気着色の実験~

構造色ということばを聞いたことがあると思います。物体表面の膜の厚み、微細な溝や突起などによって特定の色の光が反射し干渉することで発色する現象のことです。モノの色が見えるのは、それを照らしている可視光がモノによって反射され、その反射された可視光が眼に入ってきているからです。構造色は特定の波長の光だけを反射、干渉することによって起こる現象です。身の回りの例としてシャボン玉、コンパクトディスク、モルフォチョウの翅などがあります。

虹色着色実験

(注意:このブログの実験は当社で実際に行ったものです。同様の実験をする際は必ず専門知識を有する指導者の下で行ってください。)

 

この実験は『アルマイトの形成』と『虹色電気着色』の2つの実験からなります。

 

アルマイトの形成

アルマイトはアルミニウムの表面に酸化皮膜を人工的につくること(陽極酸化といいます)で、耐食、耐摩耗といった保護や装飾に使われています。皮膜は蜂の巣状の構造で、中心部は空洞となっていて、その空洞部に染料を染み込ませることでアルマイトになります。モノの色が見えるのは、それを照らしている可視光がモノによって反射され、その反射された可視光が眼に入ってきているから。構造色は特定の波長の光りだけを反射し干渉することによって起こる現象です。

左)アルミ製やかん          右)アルミ製サッシ

 

実験準備

・ アルミニウム板(30 x 100 x 0.2 mm) 2枚
・ リン酸 15 g
・ 濃硫酸 0.5 g
・ 蒸留水
・ 500 mL ビーカー
・ 割りばし
・ 直流電源
・ ワニ口クリップ付きコード
・ ダブルクリップ

 

手順

手順①
ビーカーに蒸留水を適量入れ、リン酸、濃硫酸を加えた後、蒸留水で500 mL に希釈する。 (注意;濃硫酸に水を加えてはいけません。)

手順②
アルミニウム板2枚をそれぞれ割りばしに挟んで固定し、ビーカーに吊るす。アルミニウム板の一方に直流電源の+極、もう一方に-極をつなげる。電極間距離約 3cm。アルミニウム板が7cm以上液に浸かるように。

割りばしが動かないようにオモリを置いています
上から。アルミニウム板が落ちないようにダブルクリップで固定しています。

 

 

手順③
20 V,30 分間印加し、アルマイトを形成させる。

 

手順④
+極側のアルミニウム板を水洗する。

 

 

虹色電気着色

アルマイト(陽極酸化)により、蜂の巣状で中心部は空洞の構造を持つ酸化被膜(Al2O3)が形成されます。さらにニッケルメッキを行うと、アルマイトの空洞内にニッケルが析出する。この析出するニッケルの厚みを変化させることで虹色が発現する、これが発色の原理です。

 

実験準備

・ 硫酸ニッケル・六水和物 29 g
・ ホウ酸 22 g
・ トリエタノールアミン 8 g
・ 蒸留水(約50 ℃)
・ 500 mLビーカー
・ カーボン電極(15 x 100 x 3 mm) 1枚
・ 交流電源(14V)

 

手順

手順①
ビーカーに硫酸ニッケル・六水和物、ホウ酸、トリエタノールアミンと蒸留水(50℃)で500 mLにする。

 

手順②
カーボン電極とアルマイト処理したアルミニウム板を割りばしに固定し、ビーカーに吊るす。

 

 

手順③
アルミニウム板とカーボン電極に交流電源をつなげる。電圧が14 V になるように調整しておく。

 

手順④
交流電源(14 V)をONにする。

 

手順⑤
ONと同時に着色が始まる。一定時間間隔(5~8秒)でアルミニウム板を徐々に引き上げていく。

 

 

 

手順⑥
アルミニウム板の着色が終わったらOFFにし、水で洗浄する。

 

 

 

 

 

 

 

【参考文献】

益田秀樹、「楽しい化学の実験室(52)陽極酸化アルミナの虹色着色」p51-54、1997年1月

 

 

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