佐賀県立宇宙科学館(ゆめぎんが)のご紹介
佐賀県立宇宙科学館は「宇宙から地球・佐賀を発見する、佐賀から地球・宇宙を発見する」をテーマに展開。宇宙発見ゾーン、佐賀発見ゾーン、地球発見ゾーンの3つのゾーンとプラネタリウム、天文台があり、参加体験型の展示物を通して、科学を楽しく学ぶことができる施設です。まずは3つのゾーンをご紹介します。
宇宙発見ゾーン:太陽系や銀河系、宇宙に関する最新の天文学の学習と、惑星探査やロケット打ち上げ、月面重力などの体験により、宇宙への夢とロマンを育みます。
地球発見ゾーン:地球は多くの奇跡的に恵まれた条件が揃い、生命が存在する惑星(ほし)。感じよう!奇跡の惑星(ほし)
佐賀発見ゾーン:太古の地球の歴史へと誘うタイムトンネルや里山・クリークなどの「佐賀」が凝縮された環境を再現し、多様な生態家を紹介します。佐賀の生き物や、佐賀産の化石などを展示しています。
プラネタリウムでは、本物に近いリアルな星空を再現。12.4等星、11万8千個の恒星を投映することができる全天周デジタル投映機と26万個の星を再現できる光学式投映機を備え地上で見られる最高の星空をお楽しみいただけます。
天文台では、大型望遠鏡で月や惑星、太陽を観察できます。
一年を通じて天体を楽しんでもらえるように大型望遠鏡を使用した天体観望会も行っています。ご興味のある方は来館時にチェックしてみてください。
実物元素周期表
当館では2019年に元素をテーマとした企画展「元素展 ~万物の起源を探る~」を実施しました。その時に高純度化学研究所の協力を得て展示したのが、この実物元素周期表で、なんと現在も当館の地球発見ゾーンに常設展示されています。この周期表の中には、“単体”の元素標本64点が展示されています。
さて、この中でイチオシする元素は、カルシウム(Ca)です。みなさんはカルシウムと聞いて何色を想像されるでしょうか?骨を作る物質、または理科の実験で使用する石灰水のイメージなどから、白色を連想する方が多いのではないでしょうか?
カルシウムはアルカリ土類金属と呼ばれるグループに属する金属元素です。したがって、鉄やアルミニウムのような金属と同じ光沢のある銀白色を呈しています。ちなみに、骨は主にリン酸カルシウム(CaPO4)、石灰水は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)とカルシウムが他の元素と結合している化合物です。このようにカルシウムは他の元素と結びつきやすい性質があるため、単体として見ることは容易でありません。しかし、実物元素周期表では、その姿を間近で見ることができます。
実物元素周期表を眺めながら、元素そのものの姿を堪能されてはいかがでしょうか?
宇宙科学館の中から、元素にまつわる展示物を紹介します。
鉱物ギャラリー(佐賀発見ゾーン)
ある一定の元素成分と結晶構造をもつ天然の無機物は鉱物と呼ばれます。このコーナーでは、世界のいろいろな鉱物や宝石、紫外線で光る鉱物のほか、日本地質学会より佐賀県の鉱物として選定された緑柱石や佐賀県で発見された鉱物である木村石(CaY2(CO3)4・6H2O)、ネオジム弘三石(Nd(CO)(OH))、ランタン弘三石(La(CO3)(OH))などが展示されています。
佐賀県の岩石(佐賀発見ゾーン)
いくつかの鉱物が集まって岩石はつくられています。佐賀発見ゾーンのタイムトンネル内では、佐賀県にゆかりのある岩石が展示されています。佐賀県の基盤岩となっている花崗岩や、七ツ釜(国の天然記念物に指定)を形成する玄武岩をはじめ、有田焼の原料として使用される陶石、ナポレオン石とも呼ばれる球状閃緑岩(佐賀県の天然記念物)など、様々な岩石を間近で見ることができます。
ギベオン隕石(宇宙発見ゾーン)
1836年にアフリカのナミビア砂漠で発見されたものです。隕石の破片は120km ×390kmの広い範囲に散らばっており、今までにおよそ50トンもの隕石が回収されています。ギベオン隕石には、鉄(Fe)90%、ニッケル(Ni)8%、コバルト(Co)0.4%、リン(P)0.04%が含まれています。
分光器(宇宙発見ゾーン)
太陽の光を分光器に通して見ると、きれいな虹色に光が分かれて見えます。この虹色の光はスペクトルと呼ばれ、天体についてのいろいろなことを教えてくれます。太陽も、宇宙のはるか彼方でかがやく星も、そのスペクトルのようすを分析することで、その天体が気体なのか、固体なのか、温度はどのくらいか、どんな元素でできているのかなどがわかります。
太陽を観察する望遠鏡(宇宙発見ゾーン)
太陽の光のH水素原子や電離カルシウム原子の発する光をフィルターを使用して取り出すと、太陽表面の彩層と呼ばれる薄い層での現象を観察することができます。
Hαフィルターによる観察
水素原子の出す光を捉えた観察。フレア、プロミネンスなどを見ることができます。
CaKフィルターによる観察
カルシウム原子の出す光を捉えた観察。黒点やプラージュなどを見ることができます。
スペースシャトルの耐熱タイル
2011年7月に役目を終えた スペースシャトル。スペースシャトルが地球大気圏へ再突入するときには、大気により熱せられ、本体の温度は高いところで1600度に達します。その高温からスペースシャトルのオービターを守るために、耐熱タイルが取り付けられていました。耐熱タイルは、99.7%という高純度のシリカ(二酸化ケイ素)繊維からつくられたもので、軽く、非常にすぐれた耐熱性と断熱性をもっています。タイルの一反を素手でもち、多端をバーナーで赤くなるほど熱しても、やけどすることはありません。展示されているタイルは実際の飛行に使用されたものです。
施設名 | 佐賀県立宇宙科学館(ゆめぎんが) |
ホームページ | https://www.yumeginga.jp/ |
特徴 | オープンは平成11年7月、2019年に20周年を迎えた。常設展示は宇宙発見ゾーン、佐賀発見ゾーン、地球発見ゾーンの3つのゾーンで構成され、参加体験展示を使って学習することができます。リアルな星空を体験できるプラネタリウムでは、スタッフによる星空の解説のほか、様々な番組をご覧いただけます。投映スケジュールは公式HPでご確認ください。また、ほぼ一年を通して天体を観測することができる天文台があり、土曜日の夜は天文観望会を実施しています。実物元素標本周期表をはじめたくさんのホンモノの標本展示と数多くの体験型の展示物で、科学を楽しく学ぶことができる施設です。宇宙・科学・自然などに関する企画展や特別展を年に3回開催しています。 |
時間 | 【平日(火~金)】 09:15~17:15 【土・日・祝】 09:15~18:00 |
休館日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日) 春休み・GW・夏休み期間中は休館日はありません。 上記のほかに臨時休館日、年末年始休館日がありますのでお出かけ前に佐賀県立宇宙科学館公式ホームページでご確認ください。 |
料金 | 常設展示観覧料: 大人520円、高校生310円、小中学生200円、幼児4歳以上100円 プラネタリウム観覧料: 大人520円、高校生310円、小中学生200円、幼児4歳以上100円 当日セット券: 大人930円、高校生550円、小中学生360円、幼児4歳以上180円 |
住所 |
佐賀県武雄市武雄町永島16351(武雄温泉保養村内)
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アクセス | 【電車】JR武雄温泉駅よりタクシーで10分 【車】長崎自動車道利用…北方ICより約15分 |
駐車場 | 普通車(無料)500台 |
設備等 | レストランあり、ミュージアムショップあり。 |
*上記は2020年9月30日現在のものです。
伊藤 辰徳
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- 宇宙から地球・佐賀を発見する、佐賀から地球・宇宙を発見する 佐賀県立宇宙科学館 - 2020年12月1日